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平成23年2月定例会(第4日目) 名簿
平成23年2月定例会(第4日目) 本文

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  1. 島根県議会 2011-02-04
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    島根県議会会議録検索 検索結果一覧へ戻る 検索をやり直す (このウィンドウを閉じます) 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成23年2月定例会(第4日目) 本文 2011-02-22 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 29 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長田原正居選択 2 : ◯浅野俊雄議員 選択 3 : ◯議長田原正居選択 4 : ◯知事溝口善兵衛選択 5 : ◯議長田原正居選択 6 : ◯健康福祉部長錦織厚雄選択 7 : ◯議長田原正居選択 8 : ◯農林水産部長石垣英司選択 9 : ◯議長田原正居選択 10 : ◯商工労働部長小林淳一選択 11 : ◯議長田原正居選択 12 : ◯土木部長西野賢治選択 13 : ◯議長田原正居選択 14 : ◯警察本部長高瀬隆之選択 15 : ◯議長田原正居選択 16 : ◯浅野俊雄議員 選択 17 : ◯議長田原正居選択 18 : ◯知事溝口善兵衛選択 19 : ◯議長田原正居選択 20 : ◯多久和忠雄議員 選択 21 : ◯議長田原正居選択 22 : ◯知事溝口善兵衛選択 23 : ◯議長田原正居選択 24 : ◯総務部長赤松俊彦選択 25 : ◯議長田原正居選択 26 : ◯農林水産部長石垣英司選択 27 : ◯議長田原正居選択 28 : ◯教育長(今井康雄) 選択 29 : ◯議長田原正居) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:        午前10時4分開議 ◯議長田原正居) おはようございます。  これより本日の会議を開きます。  日程第1、「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を行います。  昨日に引き続き一般質問を行います。  浅野議員。  〔浅野俊雄議員登壇、拍手〕 2: ◯浅野俊雄議員 一般質問を許されましたので、通告に従って行います。知事始め関係者の皆さんの御答弁を、お教えをいただきたいと思います。  初めに、雪害対策のことであります。  それぞれ大変御努力いただいたことに感謝しているわけでございますが、5点ほどお伺いします。  1つは、3日間通行どめになりました江島大橋の今後の対応であります。  実は、大橋川の下流に中海大橋というのが、農免道橋でつくっていただいたときに、当初私は開閉橋にしていただこうと願ったんでございますが、時代に合わなくなるからということで、いわゆる高架橋といいますか、高い橋になりました。凍結・雪害防止が心配ですので、いわゆる散水融雪施設をつくって水を出していただいて、中海大橋はこの間の大雪でも何ともございませんでしたが、その後につくられた江島大橋、国交省の細田吉蔵代議士の大変な御努力でしたが、港湾局でつくっていただいたのが江島大橋でございます。あそこもできてるものと思っておりましたが、この散水融雪施設ができておりませんから、3日間も通行どめになったということを聞くのでございます。  あの当時からおる者として、なぜそういうことをチェックしてなかったのかなと反省することが多いんでございますが、今からでも遅くございません。国交省に対して散水融雪施設を設置するように早急にお願いしていただきたいと思うんでございますが、土木部長からその当時の経緯と今後の取り組みについてまずお伺いをいたしたいのが1点です。  2番目は、道路の除雪対策でございます。  いわゆる国道、県道、よくやっていただきました。特に市町村道でも、いわゆるバスの通学路線はやっていただいたようでございますが、市民の生活道路でございます市道等は、ほとんど松江の場合できておりません。ですから、私のとこの前もですが、相当な車が通りますが、4日間は家からも出せないという現状でございました。  なぜこういうことになったのかと土木部長に聞いてみましたら、いや、12月に十分、県道の場合は業者も集めて対応して、ここはどなた、ここはどなた、業者にお願いしたからと言うんですから、御努力されてることは今までどおりわかります。ところが、市町村道がそういう状況でありますから、なぜかと問えば、いわゆる公共工事が少なくなった、したがって建設業者が非常に少なくなったことが第一の原因であることは事実で、建設業者にお願いしてやらせるんでございますが、それからもう一つは、建設業者の体力が非常に弱まっております。特に除雪機械とかそういう作業用の方々の従業員が減少してるということから、なかなかそういうところへ積極的に建設業者が対応するような環境でなくなったことが今までと違うことでございますがゆえに、今後、国道は国道、県道は県道、市町村道は市町村道でやれ、それは当然のことでございますが、市町村道、市民の生活道路ができていないという現実でございますので、こういうときには、したがって、地域ごとに、国、県、市町村、当然のことですが、一緒にやって、この辺の道路はだれがどういうふうにして、例えば国交省が、力が業者に強ければそこからの協力をいただく等して、総合的な今後の市民の生活関連道路も含めた除雪対策についての対応を、今までと違った対応を求めるものでございますが、部長のほうからお聞かせをいただきたいのであります。  3番目、停電対策でございます。  松江周辺でも3日あるいは4日間停電が続きました。それぞれオール電化の時代ですから、御苦労であったようでございますが、特に特別養護老人ホーム等の老人、弱い老人の方々をたくさん収容していただいてるところ、これはそこの職員が石油ストーブ持って出て、それから老人もできるだけ小さい部屋に集めて一生懸命暖をとったという苦労話を聞きました。本当に御苦労をかけたなと感謝したんでございますが、こういうことは、これから異常気象が続きますから、とんとん起こると思わざるを得ません。  さすれば、福祉部長にお伺いしますけども、こういう老人施設に対しては非常用の発電機を設置するような施策の補助金制度をお願いするのでございますが、部長からお聞かせをいただきたい。
     4点目は、緊急患者の搬送対策のことであります。  孤立した集落、30軒とか25軒ぐらいな小さい集落ですが、3日間、4日間孤立いたしました。半島のほうで。特に1月1日、1月2日、緊急患者が出たというわけであります。どうしようもございませんから、隣保の方が担架で、それもリレーで、4キロメートル1時間かかって救急車が来るところまで連れていって、助かったようでございますが、本当の御苦労を聞きました。  その方々のお話でございますが、県庁には防災ヘリがあって、また県警ヘリもあるが、こういうヘリが出動していただくようなことの対応を今後とっていただかねば、我々のところ、また同じような状況が続くということが心配されておりますが、これは警察本部長のほうからお答えをいただくと、今後の対応についてお答えいただくと喜びます。  最後に、農業ハウスとか、それから中海等周辺の漁船の施設の被害対応であります。  私も見舞いに歩きましたときに、おっしゃいました。我々高齢化しておって、無利子の金を借りてまでやっても、また償還せにゃいかんから、そういう能力がないんだ。したがって、それよりも、補助金をもらってでも復活させるような意欲的な助成が欲しいと聞いておりました。知事も聞かれたようでございます。したがって、当初、農林水産部では、無利子の金をやるという文書が出ておりましたが、それではだめだということで、聞きますと、知事の英断で補助金制度を出していただいたようで、大変関係者は喜んでるわけで、意欲づいております。  そこで、部長からお伺いしたいんでございますが、この農業ハウスとか漁船の復旧のための補助金制度の内容、それからどれだけの数が対応できるのか、また松江市とか東出雲町、安来市等あるわけでございますが、どういうふうに対応されているのか、実態についてお聞かせをいただきたいと思います。  次、農業問題についてです。  今議会、先議会もでしたが、知事は、今の政府が突然にTPPのことを申し出されて、何か3月末までに、被害を受けます農業、農村集落の被害を防ぐための対策を出すと発表されました。私は、農家とか農業者の期待に沿うような対策は3月、来月ですが、新聞も何も書かん、どういう検討されておるか。私は出ないと思ってる。したがって、農業団体を挙げて反対運動をやりますよ。中近東のデモぐらいの話じゃない。もっと案外出りゃへんか、倒閣運動が出りゃへんかと思うぐらい、私は心配しておる。  そこで、知事はそれに対して、持続可能な農業農村政策を国に要望するんだと。私は聞いとっても何のことかわかりません。島根県の農業農村が持続可能な政策を要望する、そういうふうにしてやってくださいという要望です。こういうことはだれにでも言えるんでございます。こういうふうな表現だと、だれんだい、期待もせんが文句もつけませんわ。  そこで、農家の方々からお話が出ておる。どういって出ておるか。知事さんも就任して4年になります。県下をよく歩かれた。農業農村の実態も──島根県のですよ──わかった。だったら、この島根県の農村、特に農業が持続可能な政策とは、知事さん自体はどのように今の時点で考えておられるのか、そういう具体的なことを知事の口から聞いてくださいという要望を受けておりますから、あえて申し上げたわけでございますが、知事のお考えがあれば教えてください。  私は、たしか十二、三年前です。ちょうどヨーロッパとイギリスが無関税政策の話があるときに、それにイギリスの農家の方々を安心させるための政策が出てるんだということを聞いて、3日間訪問して、大使館の方に大変な御努力をいただいて、農業団体や現場や政府関係者にお話を聞く機会を得ました。そのときに初めてわかったんです。あそこは、このイギリスは食料自給率どんどん上げて、そして無関税でヨーロッパとやってるんでございますが、そのための手段として、環境を保護していただいてる農業者の方々、その環境保護地域は決まっておりましたが、環境を保護していただいてる農業者の方々に直接支払いをしまして、環境保全制度というのがあるんでございました。  それで、あそこは北海道にあります水田地帯のような大型家族経営ですよ。50ヘクタールぐらいですか。なるほど大きいなと思いました。そこで、そこへ環境を保護していただいてるんだから、あなたに保護していただいたお礼の交付金を法律でちゃんと出すようになってる。どういう基準ですかと聞いたときに、たしか、夫婦でやっておりますと、人を使いますけども、夫婦で専業でやっておりますと、そこの年間生活費の6割を出すという基準で算定されておりますということを聞きました。それで、たしか240万円とか聞いたもんだから、そこの農家では。なるほどなと思いました。したがって、その上に農作物等とれますから、それは価格は上がったり下がったりしますけども、それは自分の努力でやったことだから収入になる。それで生活支えてるんだと。そして、耕作放棄地なんかできんこに、きちんとやってらっしゃる現実を見ました。なるほど、これだから食料自給率も高まってるんだなと私は思ったのであります。  そこで、それを島根県版に当てはめて私は考えました。平たん地の田んぼでございますと、専業、夫婦2人ですと約3町歩はできると聞きますから、3ヘクタール。それと240万円なら、三八、二十四、反当8万円ぐらい、環境を保全していただいとるお礼として内閣府が、農林省じゃない、内閣府が出さにゃいかん。そういうふうな格好にならんのか。中山間地域は10万円かな、そういう計算も成り立つのでございます。  それと、関税が、あったのにこしたことはございません、仮になくなっても、その上の収入ですから。それと所得補償を、生産費を下げるためにも、大型の人なんか、これは農家の努力であります。そういう政策こそがまずとられて、それから後で無関税の問題はまた検討されりゃあええというふうに私は思えてならないのでございますが、こういう具体的な施策について、知事さんは島根県の農業農村を持続可能にする手段としてどのようにお考えなのか、知事の御所見を承りたいと思います。  次に、米の所得補償1万5,000円の話でありますが、あれは県では4万5,000円、いわゆる3万円出なければ島根県農家は米の所得補償にならんのだと県庁からおっしゃってるので、4万5,000円なら3万円差額があります。その差額は何と何と何が島根県は全国平均よりも劣ってるから3万円の差額がする。このままだと島根農業は衰退してしまうのは当たり前です。1万5,000円では、3万円差額があれば1反でございますから、これは農家がなくなるのは当たり前のことです。だったら、その生産費が島根県は小面積だから幾ら高いんだと、よそよりも、全国平均よりも。だったら、島根県の面積をどのぐらいに導こうと県はされてるのかという指導が出てきません。出ておりません。  それからもう一つは、価格が安い、全国平均よりも。なぜ価格が安いのか。そのためには、価格を上げるためには何ぼ上げなきゃいかんから、どのように指導して価格を上げるようにするのか、そういう具体的な施策が島根県では農家に示されておりません。1万5,000円に対して4万5,000円出さにゃだめですよ、あんな所得補償政策はだめだだめだということばっかり聞くのでございますが、そういう具体的な誘導に対して、農林部長から初めにまずお伺いをいたしたいのであります。  3番目には、飼料米の対策であります。  実は私は、減反で悩む島根県のときに、青森県は養鶏組合が飼料用米をつくって、転作しないで飼料用米をつくってこれを鶏に食べさせてやってるんだと、これこそ自給率を上げるもとだということを聞いて、勉強に行きたことがあります。  そこで、べこあおばという大変おくての品種でしたが、幾ら肥料をやっても倒れない品種でした。これを持って帰って、7年前から農家につくっていただいて、見ておりました。何せ価格が安いもんでございますから、もう少しこれ補償金が出ないのかなと思ったら、政府が、飼料用米には反当8万円出すということになって、あっ、これなら結構。それで、1トンとれますから、あるいは1トンとれんかもしれませんが、900キロぐらいとれる。そういうことになれば、安くっても8万円出れば、その上積みですと、コシヒカリと同じぐらいな収入があるからといって宣伝をしておりました。県も宣伝されたおかげで、昨年は360ヘクタール、ことしは3倍ぐらい伸びると私は期待しております。これで減反とうまくマッチするなと喜んでおりました。  ところが、いわゆる10アール当たり、普通のコシヒカリとか、きぬむすめつくりますと大体9万円ぐらいとれるんでございますから、8万円に、1万五、六千円上積みすれば一緒になると。コシヒカリの2等米つくるよりはこれが何ぼか安定していますよと今まで言い続けてきたんでございますが、先般、農家の方々からお話がありました。浅野さん、飼料米、飼料米ってつくって、4反ほどつくった人ですが、40アール、私は農協へ出荷したと。たくさんつくって出荷した。ところが、10アール当たりで計算したら、農協から来たのは8,000円だったと言われた、8,000円。飼料用、もみでございますが、8,000円。  ところが、2カ月後に農協から請求書が来たのは、カントリーエレベーター出さなきゃいけませんから、8万円もらうためには。そこへ出しますと、水分濃度がどうだったか知りませんが、水分濃度、乾燥もしなきゃいけません。農協のカントリーエレベーターで保管もしてもらわなきゃいかん、そして販売もされますから、農協が手数料取られるんでございましょう、10アール当たり1万円請求書が来たと。結局、2,000円損だったと。8万円の上積みにならだったと、損だと。あげないだったら、あんなにたくさんつくって、もみを出さんこに、8万円もらうぎりぎりの最低の、荒かいてもみつくったことにして出したほうがいいことが初めてわかったと言うんです。ほんならそげしようじゃございませんかと、農家がそれでもうかることやらにゃいけんと言ったら、ちょうどそのとき農協の組合長、いやあ、そぎゃんことしてもらうと、養鶏農家と契約をして何ぼ出しますと言っておるのに、たったそうほど出されると、三分の一しか出されんと、うちは契約違反でしかられますけん、しゃんことしちゃいけません。現場は今、混迷してるわけでございますよ。  そこでお伺いしますが、こういう内容のカントリーエレベーターの実態、安来、くにびき、出雲、それから石見農協等がやっているわけでございます。どうなってるのかなと。私が思った転作奨励をしなきゃならん、それには飼料米で結構もうかるように、せっかく8万円足していただいて、その上に上積みしてもうかっていくんだと、それで主食用米ととんとんになるんだと思った政策が裏だったなと、裏目に出たなという心配をするのでございますが、現状と対応についてお聞かせをください。  次、無農薬、無肥料、そして窒素を余り含まない完熟堆肥を使って、しかもおいしいおいしいお米をつくる栽培方法のことであります。  といいますのは、お隣の韓国ではもう政府がこれやっております。政府の主導でやっております。というのは、韓国も御多分に漏れず、主食の消費量がどんどんどんどん減ってるようです。お米の消費量が。これでは水田が守られないという政府の考え方から、無農薬、無肥料で、いわゆる自然農法みたいなもんですよ。そして、完熟堆肥を入れて、それも窒素のない完熟堆肥を、少ない堆肥を入れて、そして栽培して、おいしい米をつくらせて、それを外国へどんどん売るんだという政府の方針で、今積極的に指導されてるようであります。日本からも、私が知ってる友人ですが、そういう米をやっています日本人の人がおります。それが韓国へ呼ばれて、いろんな指導を受けていらっしゃることを聞きました。  そこで、昨年の11月20日、21日、メッセで、全国の安全・安心美味米コンクール大会をやられて、知事にも大変な御配慮をいただきましたが、そのときに、キロ当たり1,000円から1,500円というと、反当30万円か40万円ですよ。そういう米をどんどん収穫してつくって販売してる、経営面積は1町5反ぐらいのもんです。それで千何百万円、金が入るというんだから。そういう米をつくってらっしゃる方々が5人来ていただいて、体験発表がありました。私、それ聞きながら、なるほどなと思った。昔、おひかりさんと言いましたが、無農薬栽培、自然農法栽培、余り深く耕すと下からまた雑草が出ていけんのだ。いわゆるああいう方々は、雑草、農薬を振りませんから、雑草対策に非常に困ってられるようで、その合理的な方法もいろいろ発表がございました。  そこで、本県の中山間地域はそういう栽培をどんどん導入して、1ヘクタールの経営で結構ですよ、千五、六百万円入るんだから、そういう米をつくって売るようにしさえすれば。そういうことこそ島根県中山間農業の生きる活路だと、それが付加価値を高めるもとだと思いますが、今後このような施策展開を県の農林部は積極的におやりになることが必要ではなかろうかと痛感してるのでございます。  ただ、その除草に問題がある。カモを飼うとかいろんなことがありますが、なかなかうまくいっていないようです。そこで、機械での、岡山ではどんどん今開発しておるようですが、機械で除草するような具体的な勉強をして、特許でも取って、島根県農業の中山間農業を生かすという施策が大事ではなかろうかと思いますが、部長からそのような取り組みがあればお聞かせをいただきたいと思います。  次に、企業誘致の課題であります。  私は、島根県の一番恥ずかしい話は、若い方々がどんどん出て帰らん方が多過ぎるということであります。時代の流れだけん仕方がないといってほっときゃあ、県知事も県庁の役人もいりゃあしません。これをとどめるにはどうしたらいいかと。県民歌には90万、あれは昭和30年の話。今、70万になっとる。私が、知事が就任したらということで知事にお願いしたいのは、70万を絶対に切らせませんと。というのは、自然増減は大体とんとん。これは社会減ですよ。70万切ったら知事をやめますなんてぐらいな数値目標を掲げて命がけでやっていただくような、私は知事の政治姿勢が欲しいと思います。知事も今度の発表で、雇用の増大が県政のすべてじゃないが、大きなウエートだとおっしゃって、自分の就任した4年間に52社を誘致いたしました。今はそうなっていないでも、将来1,700人増加しますということを発表になる。  そこでこの際、隠岐と島根県東部と西部と、何社来ましたか。何人増加する予定ですか。これは部長からでもいいですが、お聞かせをいただきたいと思います。  その中で、話を執行部から聞いておりますと、ほとんどが、全部じゃないですよ、ほとんど、多くがと言ったほうがいいかもしれません。本県出身の役員の方々の企業がほとんどだったと聞いたのでございます。本当かうそか、教えてやってください。  仮にそうだとすれば、私もそういうことを前にも聞いたことがある。だったら、本県出身の役員になってらっしゃる方々の企業をざあっと洗い出して、一生懸命調べて、そしてそのどなたさんで、その同級生は島根でどなたがおる、そしてそこの町村長はだれだ、それを動員して、そのとこへ再三、一遍あいさつ程度は何もならん。再三訪問して、会社の事情等を聞いて、何か希望があればすぐ来てごせ、来てごせ、県庁の担当課長もおりますから一緒になってどんどんお願いしていく、そういうシステムをつくられたらどうですかと過去にも提案しました。ところが、そのときには、個人情報がございますのでどうたらこうたら言って、役人の常套語ですね、あれは。どうも余り取り組んどられん。  そこで、個人情報を守らにゃいけんことはわかりますが、それを持ち出して情報を漏らすようなことをしちゃだめ。その中に従って、それでも調べて、そしてそのような政策展開が必要だなと私は強く痛感するのでございますが、そういうお取り組みができるのかどうなのか、これは部長からお聞かせいただいて、後で知事にもまたお聞かせをいただきたいと思います。  そこで、松江市は原発がございますから、原発交付金を使って誘致した企業はいわゆる無料にしたり半額にしたりしておりますから、相当来てるんじゃなかろうかと思うが、余りその効果が出てないように私は残念に思ってますが、この実態がどうなってるのかお聞かせをいただいて、この松江市の電気代をただにしたりしておっても、やっぱり来た会社は本県、松江市等々の出身の関係者だということであれば、なおさら前段言ったことが心配になるわけでございますが、そういう松江市の実態と今後の取り組みについて、まず部長からお伺いして、後から知事にまたお伺いをすることにいたしたいと思います。  それから、最後でございますが、子ども手当でございます。  どうも4月10日は我々の選挙でございますが、何だかきょうの新聞見ると、隣の小沢県議とも話しておりましたが、どうも4月10日に合わせて国会でも選挙があるかというぐらい、本当に東京の状況は私らが想像以上に荒れてるようでございます。  そこで、子ども手当は一体どうなるのかなという心配というだか、自民党は廃案だと言って、民主党はやらにゃいけん、それで関係法案が通らんと。あれは特別立法だそうでございますから、子ども手当が、県は予算を組んでらっしゃいますが、来ないということが起こり得るんではなかろうか。そうすると、児童手当分は50億円で、子ども手当分は140億円と島根県は聞いておるんでございますが、その140億円、今のばらまきだ、パチンコに使うかわからんとか、いろんな表現ございますが、そうでなくて、この140億円をもっと本当に使う、子どものために使うことができんだろうか、そしてその保護者が喜ばれる手だてはないのかと。  ちょっと聞いて数字を合わせてみましたら、島根県で140億円子ども手当分があるようでございますから、給食費を中学校でただにすると30億円だと聞きました。子どもの医療費を中学校までただにすると19億円と聞いた。それから、保育料もついでにただにしてもらったら、すると40億円余りと、合わせて90億円近くになるんですが、この際これに回してもらって、ただにしてもらったほうがええじゃないかと。その上に市町村の努力でやるのは結構です。そういうふうなことを知事の立場で国に要望したら、島根県はそうすると喜びますがどうでしょうかというようなことをやればええんじゃなかろうか。  私は自民党ですよ。ですけども、何でも反対反対じゃなくて、地域のためにこういうふうに回せば賛成してやるとかというような格好のことがどうも出ません。反対反対も結構だが、倒閣も結構だが、私は地域のためにこういうふうにすればいいと、それやらにゃあ内閣倒れよと言うなら結構だが、そういう具体的なことが出ませんので、知事さんの考えで教えてあげていただくと喜ぶなと思いますので、お伺いをするわけでございます。  以上で質問を終わります。どうかよろしくお願いいたします。(拍手) 3: ◯議長田原正居) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 4: ◯知事溝口善兵衛) 浅野議員の御質問、私からは農業政策及び子ども手当についてお答えを申し上げます。  TPPの問題どうするか、政府も6月ぐらいに方針を決めようと、その間いろんな情報もとっていこうということでございます。私どもが申し上げておりますのは、議員が御指摘になりましたように、やはり大きな影響を受けるというのはいろんな業種ありますけども、農業にとって輸入品が無関税というようなことになりますと、これは過去の歴史にもあるわけでありますけども、壊滅的な影響を受ける可能性がありますから、そうした大問題に対して国が一体どうするのか、考え方を示していきませんと、理解も得られません。まずそういうことをきちっとやっていくべきではないかということを言っておるわけでございます。  そこで議員の御質問は、どういうことを期待しておるのかと──農業政策としてですね──いうことだと思うわけでありますが、日本の農業が壊滅的な影響を受けるわけですから、それが安定して持続するような体制をやっぱり構築してもらいたいということを大きな枠組みとして申し上げておるわけであります。その中には、私は2つぐらいあるだろうと思います。1つは、やはり産業として農業が発展していくような政策。そのためには若い担い手が農業でも働けるような環境ですね、担い手をどうやって育成していくか。あるいは、産業として成り立っていくためには、やっぱり農地の集積ということが必要でありますから、そのために今の集落営農あるいは法人化、そういったものをどういうふうに進めるのか、あるいは政府はそういうものに対してどういうふうな支援をしていくのか、あるいは流通の多様化等によります付加価値の向上、あるいは各地でいろんな特色のある農産物づくりが行われておりますけれども、そういうものに対してどういう支援をしていくのか。あるいはそれは輸出についても同じでございますね。輸出の振興なども、近隣のアジア諸国等が成長してきますと、そういう品質の高いものに対する購買というのがふえていくわけでありますから、そういうものに対してどうするのか、そういうものを政府として示してほしいというのが1つです。  もう一つは、農村をやはり維持をしていく。中山間地域等におきましては、農業というのがやはり主要な産業の一つでございます。農業だけでは生活できない方ももちろんおられて、兼業あるいは都市部のほうに働きにお出になるということはありますけども、農業を核にして中山間地域の生活が維持され、そしてまた環境ですね。林業でありますとか農地でありますとか、あるいは牧草地でありますとか、そういう環境が保たれておるわけでありますから、そういうものをどうするのか。そのためには、やはり再生産可能な所得が確保できるような所得補償を行っていくとか、あるいは条件不利地の格差を是正するような直接払いの仕組みをさらに安定したものにするとか、そういうものについて考え方を全体的に示していく必要があると。特に、TPPに参加をするというようなことになりますと、もうその影響はずうっと続くわけです。だから、したがいまして、相当先まで見渡して政策の方向づけをしなきゃいかん大問題であるわけであります。そういうことをやってほしいということであります。  それから、議員はそれに関連をしまして、イギリスの直接支払い制度は農業農村を維持する政策として有効な政策の一つではないかと、議員がイギリスを訪問されていろんなことを見聞をされて、それに基づく御見解だと理解をしました。  私もイギリスの制度を少し調べてみました。イギリスの制度の骨格と申しますか、幾つかあります。やはり生産調整に参加をするというのが一つの条件になっておったり、あるいは議員が御指摘になりましたように、環境を保全すると。それで、この環境というのは非常に広い意味で使ってるようですね。例えばイギリスなどは牧草地が非常に多いわけです。なだらかな丘陵がたくさん広がっておるわけですね。そういう牧草地を維持する、これはイギリスのきれいな田園風景の核みたいなもんですね。あるいは、国土の核のようなもんでありますけども、そういうものを維持する。あるいは、良好な農業、環境を維持する、そういうことの一つの代償として直接払いを行う。あるいは、条件不利地に対しましては、環境保全ということで、条件不利地もそういう環境保全に貢献しておりますから、そういうことで直接支払いをすると。  で、議員は、イギリスの場合ですと、全体でそういう補償が、夫婦の場合には250万円ぐらいになるとおっしゃられて、私も調べてみましたら、大体こんなことですね。大体イギリスの平均的な農地面積は68ヘクタールぐらいですね。日本の平均的なところからいいますと、二、三十倍というようなことでしょうか。非常に粗放的な農業ですね。北海道と議員はおっしゃいましたけども、牧草地であったり、そういう農業であります。そういうものが多分、国土の景観という言葉も使ってますけども、環境とかそういうものに大きく貢献していると。したがって、そういうものを維持するかわりにという意味合いがかなり入ってるようですね。  そういうものに対して、例えば平均しますと大体反当たり4,000円ぐらいになりますね、イギリスのお金は。そうすると、二、三十倍ですから、議員がおっしゃったように、反当たり8万円から10万円ぐらいになるでしょうか。そのぐらいの所得補償が行われておるということであります。ただ、そこはやはり環境というものがみんなが大事だと、それに対して助成をするということは合理的だという国民的な意識が形成されているということがその背後にあるんではないかと私は想像しますけども、またそこら辺はよく勉強しなきゃいけませんが、いずれにしても250万円前後の所得補償があって農業が成り立ってるということでございます。  日本もそのような考え方を一つの参考にしてやっていくということも考えられると思いますけども、まだ詳細は勉強してみませんとわかりませんが、大事なことは、大きな所得補償でありますから、ほかの産業と比較してどうかというような議論があります。多分、イギリスの場合は、やはり豊かな田園風景と申しますか、そういうものが非常に価値があって、大きな所得補償をしてもそれがいいんだというふうな国民的な理解があるということがあるんではないかと、こう推測するわけです。それを日本に当てはめた場合にどういうことになるのか。しかし、日本でも環境に対する重要性の認識が非常に高まっておりますね。豊かな田園、そしてきれいな水、あるいは山林もそうでしょうか。イギリスと違うのは、イギリスは平たんな丘陵が多いわけでありまして、人々はその身近なところで生活をしていますから、日本の場合は非常に中山間地、山林が非常に多いわけでございます。そういうような問題をどう考えるのかとか、山林についても所得補償という考え方があると思います。  いずれにしても、議員のこの御指摘は我々として研究しなきゃいかん一つの課題であろうかというふうに感じた次第であります。そういう面におきまして、国も各国のいろんな事情などもよく勉強して、日本としてどうするかということをよく考えてもらいたいということは、我々としても国によく訴えていきたいと思うところであります。  それから、子ども手当でございます。  子ども手当は、法案が廃止になった場合にどうするかということでの御質問ではないかと思うんでありますが、法案と申しますか、子ども手当をやめると。しかし、やめた場合にどうするかということはこれからの議論であるわけでございます。もともと、手当てという現金給付がいいのか、あるいは保育料の軽減でありますとか、あるいは医療費の無料化だとか、いわばサービスの対価として給付するのがいいのかという議論はずうっと昔からあるわけでございますけども、民主党の政策として、手当てということで一律にやっていきましょうという決断をされたわけでございますね。そういう意味で、手当てという仕組みをどうするか。仮に例えばそれをやめるということになりますと、その金がなくなるわけではありませんから、御指摘のように、どういうふうに使うのがいいのか議論をしていかなきゃいけないと思います。  その対案としては、やはり子どもの分野、子どもの健全育成の分野で使うとすれば、給付をどういう形でやっていくかということになろうかと思います。そういう意味では、議員がおっしゃられたような保育料の軽減でありますとか、あるいは乳幼児医療の助成の強化でありますとか、いろんなことが考え得ると思います。まだ子ども手当自体をどうするかということがございますし、我々のほうもいろんな方法がありますよということは国会議員の方々にも申し上げてまいりますけども、そういう中で私どもの意見も言っていきたいというふうに思ってるところであります。以上であります。 5: ◯議長田原正居) 錦織健康福祉部長。  〔錦織健康福祉部長登壇〕 6: ◯健康福祉部長錦織厚雄) 高齢者等の社会福祉施設における非常用自家発電装置整備などの雪害対策についてお答えをいたします。  まず、非常用自家発電装置につきましては、現行の補助制度では、建物改築に合わせて整備する場合は補助対象となります。ただ、単体でそれだけで設置する場合は、今は補助対象となっておりません。いずれにいたしましても、整備のためには相当な経費が必要となってまいります。  今回、松江市内の特別養護老人ホームなどの25施設についてアンケート調査をしております。雪害時の停電時の対応についてどうしておられるかというようなことですね。非常用自家発電装置を整備されてるところは25施設のうち6施設でございます。残りの19施設については、ストーブ等で対応するという状況でございました。こうしたことを考えますと、雪害による停電時の対策といたしましては、それぞれの施設において入所者の食事と暖房の体制を整えておくということが大切でございますので、県といたしましては、食料、燃料等の備蓄でありますとか、近隣の施設との協力体制づくり、そういう危機管理についての指導をしていく必要があるというふうに考えております。 7: ◯議長田原正居) 石垣農林水産部長。  〔石垣農林水産部長登壇〕 8: ◯農林水産部長石垣英司) まず、大雪による農業と漁業の災害の実態と復旧の内容についてお答えいたします。  2月21日現在、農業では、ハウスが551棟、ブドウなどの果樹の棚が59棟、畜舎が5棟、堆肥舎が4棟、これらが倒壊しております。また、漁業では、漁船171隻が転覆、沈没しております。  県では、これらの施設等の復旧費を補助する事業を今議会に提案しております。具体的に申し上げますと、農業につきましては、認定農家や集落営農組織等に対しまして、被災ハウス等の撤去復旧費や果樹の植栽費、植え直しのための費用等につきまして、市町村が補助する額の2分の1を県が補助することとしております。この場合、県は事業費で最大3分の1を補助することとしております。予算額は総額で3億円でございます。21日現在で、市町村では、出雲、安来、雲南、東出雲、斐川、奥出雲、これらの6市町が補助を実施することとしておりまして、これらの市や町と県との補助金を合わせますと、補助率はトータルで3分の2となることとなります。  また、漁業につきましては、転覆した漁船船体のうちエンジンや電気機器等の復旧に必要な経費の3分の1を支援することとしております。総額では3,200万円でございますが、これにつきましては、松江市と東出雲町が県の助成額に上乗せして助成をするというふうに承っております。これらで合わせますと、県の分と市町村の分を合わせますと、合計の2分の1が漁業者に対しまして補助をされるという形になっております。  次に、農業者戸別所得補償制度におけます米の生産費と販売額の差額と、その差額を埋めるための具体策等についてお尋ねがございました。  農林水産統計によりますと、10アール当たりでございますが、全国平均の販売額は10万1,000円、生産費は11万6,000円で、差額は約1万5,000円であります。一方、島根県でありますが、平均的な販売額は8万7,000円、生産費は13万2,000円で、差額は4万5,000円となっております。このように、全国平均と島根県で、議員からも御指摘ございました3万円の差がありますのは、条件が不利である中山間地域等が多いということ、また全国に比べて収量が低く、経営規模が零細であるために、労働費や機械、施設などの物財費が割高であることといったことが主な要因と考えております。例えば10アール当たりの労働費は、島根県が4万円に対して全国では3万2,000円、物財費につきましては、島根県が9万円であるのに対しまして全国では7万9,000円と、こういったような差になっております。  なお、10アール当たり1万5,000円と定額補助で採算が合う規模はどのあたりかということでございますけれども、やはり土地条件や単収などは県内各地域それぞれ異なるものでありますことから、一概にこの規模の水準がということはなかなか言うことは困難であろうと考えております。  しかしながら、県内におきましては、規模拡大によるスケールメリットを生かしての低コスト生産を行っている斐川町の生産組織、あるいは小規模でありながらも特色のある米づくり、除草剤を使わない等の特色のある米づくりを通じまして高い価格での販売を行って経営安定につなげている飯南町の集落営農組織といったような事例があります。こういった事例を踏まえまして、生産費と販売額の差額を埋めるためには、2つの方向があろうかと思います。1つはコスト低減対策でありますけれども、こちらにつきましては、法人化や集落営農の組織化などを推進するとともに、農地の利用集積をあわせ進めまして規模拡大を図る、さらには水田への直まきなど省力化技術の開発と普及を図るといったものがあります。もう一つ、販売収入をふやすという対策がもう一つの視点としてあります。具体的には、ポストコシヒカリとしてのきぬむすめといった優良品種の導入と拡大を展開していく、あるいは有機米や特色ある米づくりによって高付加価値化を図る、あるいは生協のような消費者組織などへの直接販売といった形で農家の手取り分、販売価格を向上させることによって手取り分を上げると、こういったようなことを進めていくこととしております。  23年度からは、県といたしましては、みんなでつくる「しまね有機の郷」事業、こちらによりまして有機農産物の生産や販売を支援いたしますとともに、地域貢献型集落営農ステップアップ事業を創設いたしまして、集落営農組織の育成や、複数の組織の間での連携などの支援などにも取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  次に、飼料米生産農家の収支等についてのお尋ねがございました。  島根県におきましては、22年産飼料米の手取り価格は、もみ1キロ当たりが14.4円であります。一方で、もみの乾燥を行うカントリーエレベーターの利用料金でありますが、平均的な水分含量が21.7%の場合には、JAやすぎでは19.6円、JAくにびきでは18.4円、JAいずもでは16.8円でありまして、利用料の支払い額が農家手取り価格を上回っているという状況でございます。  なお、水田利活用自給力向上事業で8万円が交付されることとなっておりまして、これを合わせますと、飼料米生産農家の経営収支はプラスという形になっております。  このような飼料米でありますけれども、今後その生産拡大は自給力の向上を図るという観点から重要でありまして、このような飼料米を生産する農家の手取りを確保するためには、生産コストの低減対策が重要であります。8月に収穫されるわせ品種の導入とあわせまして、通常よりも収穫時期をおくらせるといったことなどによりまして、もみの水分含量を減少させるといった方法が考えられるわけでありますが、これにつきまして、試験圃場の設置などによりまして、今後検討してまいりたいと考えております。  また、カントリーエレベーターを使わず、農家自身による自家乾燥という方法もあるわけでありますが、こちらにつきましては、飼料用米と主食用米との区分け、区分しての管理や、カントリーエレベーターとのコスト比較といったような課題があるのが事実でありまして、これらの課題について今後検討してまいりたいと考えております。このほかにも、飼料米を買い取られる畜産農家の買い取り価格の引き上げや、カントリーエレベーターの利用料金の引き下げといったものが可能であるかどうか、関係機関とともに検討してまいりたいと考えております。  最後に、除草機械の開発による米の安全・安心美味対策の推進についてであります。  島根県の豊かな自然環境を生かすとともに、食の安全・安心、おいしさを消費者にアピールするような有機栽培による米づくりというものは、売れる米づくりの手法の一つとして優良なものであると考えておるところでございます。島根県では、平成6年度に島根県環境保全型農業推進基本方針を定めて以来、環境保全型農業の研究と普及に努めてまいったところでございます。  この環境保全型農業の技術的に大きな課題の一つが、議員御指摘ありました除草作業にあるわけでありまして、平成19年度から、除草剤を使わない米づくりとして、機械除草等の普及に取り組んでいるところであります。現在、こうした手法を使いまして、130ヘクタールで米生産が県内で行われているところであります。また、この水田除草機につきましては、平成20年度から試験研究を行いますとともに、現場での実証試験を実施しているところでございます。これまでのところ、農業技術センターにおきまして、機械の精度自体は高まっておりますけれども、なお部分的には雑草が取り残されやすいという課題が明らかになっているところでございます。  昨年からは、こうした状況を踏まえまして、地元の農機メーカーとの間で意見交換を行いまして、改良の方向性も得ましたことから、来年度から本格的に県とメーカーとの間で共同研究と実証試験に入るため、現在準備を行っているところでございます。こうした除草機械の試験研究、開発、普及も含めまして、地域において有機農業へ転換を図る、あるいは新規参入を促す、さらには生産された有機農産物の販路開拓、こういったものを総合的に支援をしてまいり、県として有機農業のさらなる拡大を図ってまいりたいと考えておるところでございます。以上であります。 9: ◯議長田原正居) 小林商工労働部長。  〔小林商工労働部長登壇〕 10: ◯商工労働部長小林淳一) 私からは、企業誘致に関係して3点お答えします。  まず、平成19年度以降の県内立地企業の状況ですが、全県では、合計ですが、52社、雇用の増加が1,734人、投資の額が663億円となっております。このうち東部地域につきましては、38社、雇用人数が1,242人、いずれも全県の約7割でございます。投資総額が574億円で、全体の87%でございます。西部地域ですが、13社、雇用人数が435人、いずれも全体の約4分の1でございます。投資額が88億円で、全県の12%になります。隠岐地域でございますが、1社で、全県に対しては2%、雇用の数が57人で3%、投資額が1億円、0.2%というふうになっております。  次に、誘致企業とその企業の本県出身者の方との関係についての御質問にお答えします。  平成19年度以降の県外企業の立地認定件数が全体で40件でございます。そのうち本県出身の役員の方がいらっしゃる県外企業の立地が11件で、全体の約4分の1となっております。本県の出身者が役員等でお勤めの企業では、誘致交渉等に当たりまして何かとスムーズに運ぶといったようなケースが多々ございます。  本県出身者の方が役員でいらっしゃる企業につきましては、これまでも大手企業の情報調査会社データを有料で取得するとか、業界新聞、さらには各県内の市町村の出身者の会などを通じて情報を幅広く収集しております。その上で、こうした資料をもとに、本県出身者の役員の方、またその企業を訪問したり立地を働きかけたり、さらにはそうした方からほかの企業も紹介していただくなど、企業誘致につながる活動をしております。今後も役員の方の出身市町村とも連携をしながら、またさまざまな人的ネットワークを活用しながら、立地などに結びつけたいと考えております。  最後に、松江市の電気代補助の特典による新規の立地の状況、効果についてお答えします。  電気代の補助制度は、原子力発電施設の所在市町村で雇用増加を生む企業に対して、企業立地後8年間を限度として電気料金支援を行う制度でございます。平成19年度以降のこの補助制度の適用がございます松江市の立地認定件数は20件で、全体の38%、雇用では573人となっております。そのうち県外から新たに松江市に立地した企業の中で、電力消費の多いデータセンター業やプラスチック製品を製造する企業、あるいは福利厚生サービスを提供する企業などから、この制度は大変魅力のある制度であると、松江市を選択した大きな要因の一つであるとのお話をお伺いしております。また、現在交渉中の企業の中にも、この制度、電気料金の安さを強く意識している企業もございます。電気代に対するこの助成制度は、企業を誘致するために非常に有効な制度であると考えております。以上でございます。 11: ◯議長田原正居) 西野土木部長。  〔西野土木部長登壇〕 12: ◯土木部長西野賢治) 私のほうからは、雪害対策について2点お答え申し上げます。  まず、江島大橋への散水融雪装置の設置についてでございますけれども、江島大橋は国土交通省が1997年度に着工し、2004年10月に開通した全長1,446メートルの橋で、管理は国から委託を受けた境港管理組合が行っております。議員御指摘のとおり、江島大橋は年末年始の大雪で、12月31日の19時15分から1月2日の7時まで通行どめとなりました。原因は、江島大橋を通過中であった大型タンクローリーのチェーンが切れ立ち往生したことにより、除雪作業ができなかったためでございます。境港管理組合では、冬季の対策として、除雪のほか、凍結防止剤の散布を適時行っていますが、議員おっしゃるとおり、江島大橋には中海大橋のような散水融雪装置は設置されておりません。  中海大橋の散水融雪装置は、県が橋の建設時に設置したもので、散水については、近隣の島根県宍道湖東部浄化センターの処理水を圧送して有効利用しております。既に完成している江島大橋に新たに散水融雪装置を設置することにつきましては、散水に必要な水の確保や、散水融雪装置設置に伴う荷重の増加に対する対応が技術的に可能かどうか、維持管理も含めたコストがどの程度かかるのか、周辺への影響がどの程度生じるかなどについて、橋の所有者である国及び管理者であります境港管理組合と検討してまいりたいと考えております。  次に、国・県・市が共同連携して相互に協力し合う体制の構築に関し、お答え申し上げます。  今回の大雪の状況を踏まえ、除雪等に関する問題点の洗い出しや改善策の検討のため、本年1月21日に、豪雪時における関係機関の連携強化会議を開催いたしました。会議において、現状の除雪体制に関し、関係機関と協議を行い、取り組み内容を決定いたしました。このうち、国・県・市町村の連携に関する強化策については、以下の2点でございます。  1点目は、体制に入る基準の違いなどの要因により各道路管理者間の連携が不足し、交通渋滞や道路情報の不足が発生したことから、改善策として、連携除雪体制を設けることにより各道路管理者の体制を一元化し、同時期に体制をとることで連携の強化を図ることとしております。また、国道や市町村道を含めた面的な道路情報を県で集約し、一元的に道路利用者へ提供するなど、連携の強化を図ってまいります。2点目といたしましては、優先する除雪路線が国・県・市町村で連携がとられてないことによる除雪作業のおくれや、国・市町村などとの相互支援の不足であり、改善策として、国・県・市町村が一体となって、あらかじめ除雪路線の優先順位を決定し支援計画を作成することで的確な相互支援を行い、面的で効率的な除雪作業につなげることとしております。  以上、申し上げましたとおり、今回の豪雪を踏まえた連携強化策や相互支援策を確実に実施し、毎年雪のシーズン前に各道路管理者が連携体制を確認し合うことにより、効率的で迅速な除雪作業につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。 13: ◯議長田原正居) 高瀬警察本部長。  〔高瀬警察本部長登壇〕
    14: ◯警察本部長高瀬隆之) 県及び県警のヘリコプターによる救急患者搬送についてお答え申し上げます。  議員御指摘のとおり、今回のような豪雪で孤立をした地区または離島から救急患者を搬送する手段としてヘリコプターを出動させることは極めて有効であり、積極的に対応すべきであると認識しております。救急患者搬送につきましては、第1次的には、救急など消防防災業務を担当する県の防災ヘリコプターが対応し、防災ヘリコプターが対応できないような場合などに、島根県防災航空隊からの要請を受けまして県警のヘリコプターが対応しているところでございます。  昨年中にヘリコプターを出動させた救急患者搬送の総数でございますけれども、防災ヘリコプターが61件、同ヘリコプターが対応できなかった場合の要請を受けまして県警のヘリコプターが2件出動をいたしております。  県警のヘリコプターにつきましては、事件事故発生時における犯人の追跡とか現場状況の把握等の初動警察活動、警衛等の大規模警備におけます警戒活動、山岳等の遭難者の捜索救助などのさまざまな警察活動に当たっておりますが、今後とも救急患者搬送の要請には積極的かつ的確な対応を行ってまいりたいと考えております。 15: ◯議長田原正居) 浅野議員。  〔浅野俊雄議員登壇〕 16: ◯浅野俊雄議員 少し時間が残っておったと思いますので、知事さんに再質問させていただきます。  TPP関係で、自民党は、TPP関係じゃなくて、自民党が、1万5,000円のばらまきはだめで、大型農家を育成するんだということを前から言ってます。今も言ってます。あるときそこ言いましたら、農家の方々の集いのところですが、大型農家を育成するとは、今部長がおっしゃったように、今在家だとかその他わかってますよ、20ヘクタールとか30ヘクタールの集落営農のところだろうと思って、つい、20ヘクタールぐらいですはと、こう言ったら、私らは専業農家ですよ、私らは1.5とか2ヘクタール、せいぜい3ヘクタールで家族経営で一生懸命やってますよと。そういう20ヘクタールのものを育成してやるということだったら、我々は死ねということですかと、こういう専業農家の声なんですよ。これではだめだ。自民党もこのことだけ言っとっちゃいかん。  ということから、イギリスの環境を保全してる農業、日本だって環境保全ですよ。イギリスだけがええことはないわ。そういう島根版をつくらんとだめだないかということを知事が言ってもらいたい、私の願いは。島根版。北海道版はまた違いますよ。全国一律だって、どうせそういうことを出しますから、政府は。どなたが政府になっても。したがって、早く知事が、島根環境保全、これは法律でやらせにゃいかん。農林省の予算でない、国の予算で、内閣府の予算でやらせなきゃ。そういう制度をきちっとつくっておけば、今の島根のほとんどの、2ヘクタール、3ヘクタールのほとんどの、大型農家ですよ、個人では。この方々が満たされるわけ。そして、環境を保全する。この方々が、今、グリーンツーリズムとか、ああいうことは前から出たことで、そぎゃんもんに全部なりゃしません。食料自給率の向上なんか、まあそれはそれで、目先を変えることですからいいことです。それを否定しない。それはやらなきゃならんが、基本は今の農家の方々が喜んで生産することですよ。そういう体制では、日本の場合も、イギリスの環境保全型交付金を国の法律でまずつくらせる、その島根版を言わんと、また北海道版に負けますから、全国でしたら。そのことを憂うからでございますので、知事にそういう考えに立って、知事自身の、島根の農業を守る、これが国にもつながるんだという強力なエネルギーでのお考えを聞かせていただきたいと。  私みたいな田舎の者が言っただけでは、全国のこと、世界のことはわかりませんから、もっと東大出の農林省やその他の者がよう考えてから言わようございます、これの姿勢では負けの姿勢だと思いますから、あえてこういうことをくどくど言って申しわけございませんが、その上でさらに知事のお考えをお聞かせいただきたい。  企業誘致です。トップセールスは大分言いました。知事や市長にも、トップセールスしなさい、大分県の平松さんのような格好のこと言ったことがあります。ただ、なるほど知事が行かれますと、会社の、全国の東京の会社、あんなとこで言うのは、これは月並みの祝辞でして、あれはセールスというものにならん。私は、目当てた企業に対してトップの方が、一遍じゃだめですよ。4遍も5遍も行って、それでならにゃ仕方がないわ。そういう足跡が見えるかというと、知事の動向見るとなかなか見えない。  そこで、トップセールスを知事さんに求めるのは、しかし私は知事と一遍行ったことがございますが、我々が大阪事務所長と一緒に行ったって、その係長でも会ってごしませんわね。ところが、知事さんと一緒でしたら、上部がずらっと並ぶ。はあ、県知事というあの顔だか名刺だか知りませんよ、肩書ですよ、水戸黄門の印籠みたいなもんだ。はあ、すばらしいなと感動しました。やっぱりあれがなけにゃいかんが、余りお忙しいから、本当のことお忙しい。だったら知事に、次にまだ副知事さんですが、副知事さんは、よくやって県内まとめて知事をフォローして、これが一生懸命副知事がやっとられる業務です、これはわかります。だけども、今度は、島根県の一番情けないのは社会減でございますから、このために企業誘致専任の副知事をやってみて、それで次も当選されることも決まってるようでございますから、いうことですから、そしてその方々に一生懸命、やっぱり大したことなかったら4年でやめてもらわいいんですよ。そのぐらいな副知事でやっていただけることを私は期待するんでございますが、知事の考えがあればお聞かせいただいて、終わります。よろしくお願いします。 17: ◯議長田原正居) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 18: ◯知事溝口善兵衛) 2点御質問がございました。  1つは、農業でございます。  TPPに関連しまして、農業の将来、政府はよく対策を示してほしい、これは全国から上がっておるわけであります。しかし、議員がおっしゃったように、地域によっては北海道のようなところ、あるいは島根の中山間地域のようなところ、いろいろ状況が違うわけでございます。私どもは、農家の所得補償制度につきましても、全国一律ではなくて、各地の事情をよく反映したものにしてほしいということをずっと主張しておるわけでございまして、基本はそういう方向で対応してまいりたいというふうに思っておるところでございます。島根の農業の特色を踏まえまして、今御指摘のような点をよく頭に入れまして対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。  2点目は、企業誘致でございます。  企業誘致は、私もしょっちゅう東京とか大阪とか広島に参ります。あるいは、私のとこへ来られる方もおられますし、場合によっては九州の企業のところを訪問したり、あるいは近県の工場へ行ったりするということは随分やっております。  企業誘致で私の感想を申し上げますと、知事の役割はやはり相当あると私は考えております。1つは、県同士が競うというようなことがあるわけでございます。一方がいい提案すると、先方はこういう提案する、そういうのが長く続くようなこともございますね。そういうようなときは、もちろん会うだけじゃなくて、むしろこういうとこまでこっちは条件を提供しようというような決断をしなきゃいけません。そういうのを迅速にやっていくということが1つ大事でございます。  それから、競ったときに、条件はある程度どっちも似てるけども、熱心の度合いがやっぱり影響するということがございます。私の経験では、岡山で知事会をやってるときに市長さんからも電話があり、ぜひこれから広島のほうへ帰られる途中なので電話をしてほしいというふうなことがあって、私が電話をして、それが一つのきっかけとなって誘致が最終的に決まるというようなこともございました。あるいは、初期の段階で事務方がある程度先方の事務方と話をして、いい方向に行ってきてると。そういうときに知事が出かけていきまして、知事として請け負いますというようなことを言うことが先方の意思決定を進めると。  会社の組織ですから、全部日本はトップダウンじゃないですね。やっぱりかなりの部分はまだ相当下のほうで比較検討したりデータをそろえたり、それから県の姿勢なんかをまとめて常務会へ上げ、そして社長に上がりということで、最初からトップが関与してるわけじゃないんです。ある程度物事が煮詰まってきて、どうするかというときでございまして、そのときはやっぱりトップ同士でやるということが大事だろうというふうに思ってるとこでございまして、引き続き議員の御提案も頭に入れておきながら、私自身トップセールスとして一生懸命やっていきたいというふうに思っておるところでございます。 19: ◯議長田原正居) 多久和議員。  〔多久和忠雄議員登壇、拍手〕 20: ◯多久和忠雄議員 自民党議員連盟の多久和忠雄でございます。ただいまより一般質問を行いますので、よろしくお願いいたします。  知事は、平成19年4月、活力ある島根の実現を訴え、多くの県民の支持を得られ、島根の持つ豊かな自然や古きよき文化伝統、特色ある地域資源の強みを生かしながら、中長期展望に立ち、県財政の立て直しを進めてこられました。さらに、経済雇用情勢を踏まえ、景気雇用対策を打つなど、機動的な政策運営に努め、心血を注いでこられました。  2010年6月には、「豊かな日本をどうやってつくるか-地方から考える-」を発刊されました。その中で、40年ぶりにふるさとに帰り、知事として改めて、島根は実に住みやすいところだということを感じたと記しておられます。また反面、東京のような大都市がさらに拡大することが日本にとってよいことだろうかと疑問を持たれております。そして、真の意味での豊かさとは何か、なぜ地方を大切にせねばならないのかを論じておられます。  そこで初めに、神々の国しまね推進事業についてお伺いをいたします。  我が国は、37万7,950平方キロ、周囲4万キロメートルの国土を有し、先人たちは、魚をとり、稲を栽培し、農耕民族の歴史を築いてまいりました。今、出雲大社は、60年に1回の大遷宮を迎えるに当たり、その準備がなされております。その奉仕を行っておられます宮司の歴史を見ますと、北島家80代、千家家84代、両宮司家の年代から見ましても、約2,000年弱の歴史の歩みを知ることができます。  先人たちは、稲を栽培する過程において培われた、ともに助け合いながら生きる、すなわち共生の心がはぐくまれました。その心こそは日本の心であり、日本民族の心であります。  60年に1回の大遷宮の最大の意義は何か。それは日本民族の心を正しく後世へ伝えることであり、現代に生きる私たちの使命でもあると感じております。無縁社会や、また価値観として人々が求めようとしている幸縁社会の到来に思いをはせるとき、この共生の心こそは、経済万能社会を救い、日本社会再生の礎であり、世界の平和と人類共存を求めゆく礎でもあると思います。  本事業にかけられる知事の思いをお伺いをいたします。  今、立ちどまって、我が国の歩んだ足跡を振り返ってみますとき、明治4年、廃藩置県以来140年、その間、我が国は100年をかけて東京一極集中を図りながら、アメリカに次ぐ世界経済大国日本の国づくりをなし遂げてまいりました。その弊害は、地方が疲弊し、国づくりの基本であるべき農業農村に大きな衝撃を与え、山林原野を始め農地の荒廃が著しくあらわれ、その荒廃ぶりは目に余るものがあります。  知事は政策提言の中で、自立と分散で豊かな日本を訴えておられます。改めて、知事のふるさと島根にかけられる思いをお伺いをいたします。  また、ふるさと島根がこれから大きな発展をなし遂げるためには、何よりもふるさと島根を愛する子どもたちを育てる教育を進めることが重要であります。教育長のふるさと教育にかけられる思いをお伺いをいたします。  世界204カ国、昨年11月の統計を見ましても、総生産額5,822兆円、第1位アメリカ、24.5%、1,426兆円、第2位日本、8.7%、506兆円、3年前世界第5位300兆円の中国は8.6%、500兆円となっており、42年ぶりに日本を追い越し、第2の経済大国にのし上がろうとしております。この現状を目の当たりにするとき、地方再生こそは、世界のリーダーとして、また世界の平和と人類共存への確かな歩みを求めていくことにつながるとの思いから、これから次の3項目についてお伺いをいたします。  まず初めに、財政問題についてであります。  今、国会会期中であり、国家予算の審議の最中でありますが、我が国の予算の中での赤字国債は、平成23年現在、約900兆円にも及ぶ世界第一の借金国となっており、財源確保こそは我が国にとって最大の課題であります。  今日までの国債発行の推移を見ますと、昭和22年以降、昭和39年までは収支均衡が図られ、国債発行がゼロでありました。しかし、昭和40年から国債発行が再開されましたが、昭和40年単年度だけで、昭和49年までは発行されておりません。その後、昭和50年から平成元年までは毎年度発行し、平成2年には赤字国債の新規発行は一たんゼロになりましたが、平成6年から再開され、今日に至っております。  このような財政の現状を打破しようと、消費税の導入に歴代総理は取り組まれておりますが、いずれも間接税に触れると政権が倒れております。一般消費税導入を提唱した大平正芳首相は総選挙で惨敗、売上税を掲げた中曽根康弘首相は党内外の反対に屈し、竹下登首相は導入直後に退陣、5%へ増税した橋本龍太郎首相は参議院惨敗の責任をとっております。  今回、菅政権に招かれた経済財政大臣与謝野大臣は、東京2区選出であります。消費税導入の必要性を説き、14回選挙に出馬し、10回当選、4回の落選を経験しながらも、みずから国の将来を思い、財源確保の重要性と、政治家の仕事は全人格と人生をかけて大きな判断をすることであると、みずからの著書「堂々たる政治」で語っておられる姿は、落選を経験している私にとりましては、初めて知る国民、県民の心、その心とはを思い起こしております。  4回も落選を経験しながらも、国民の前で堂々と消費税の重要性を説かれる政治家が何人おられるでありましょうか。身を挺して訴えられる与謝野大臣に、私はエールを強く送りたいと思います。  国民世論は50%余賛成であり、税率については10%前後と考えられます。国において検討が始まった社会保障と税の一体改革についての知事の所感をお伺いをいたします。  次に、世界主要国50カ国の付加価値税についてであります。  それぞれの国情により、税と社会保障の関係等多くの要因があり、一概には表現できませんが、率であらわしますと、最低の5%が日本、台湾、カナダの3カ国であり、10%がインドネシア、オーストラリア、韓国であります。最高25.5%がアイスランド、25%がスウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ハンガリーの4カ国であります。16%以上が30カ国となっております。  諸外国では、日本よりも高い付加価値税率を掛けている国も多く、国づくりのために必要な税をみんなで負担しようという国民性が背景にあると考えられますが、海外勤務経験も長い知事の所感をお伺いをいたします。  また、国内の消費税の世論づくりには、地方議員の理解と協力が重要な視点になると考えます。立法府である国会議員はもちろんでありますが、私たち知事を始め県議会の役割もさらに重要であると考えます。  地方の時代の幕あけの今日、消費税を含めた財源確保に地方から積極的に取り組むべきと考えますが、知事の姿勢についてお伺いをいたします。  また、25%の国々の財政状況を分析してみますと、デンマーク一つを取り上げてみても、国債発行高はGDPの41%で、日本の4分の1であります。そこには、国民みんなの力を結集し、国づくりをやろうとする姿が浮かんできます。日本は、世界第3の経済大国でありながら、対GDPの199.2%の赤字国債発行高であります。  私は、今後の国づくりを考えますとき、必要な税は負担しつつ、みんなで国づくりをやろうとする国民性の醸成が大変重要なことと思っておりますが、そのために知事は何が必要とお考えですか、お伺いをいたします。  次に、TPPと今後の農政についてお伺いをいたします。  菅首相は、11月9日に閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針を踏まえ、環太平洋戦略的経済連携協定TPPについて、国内の環境整備を進めるとともに、関係国との協議を始めていくと表明し、参加に前向きな姿勢を示しました。  TPPは、関税撤廃の例外を認めない完全な貿易自由化を目指した交渉であります。例外を認めないTPPを締結すれば、我が国の農林水産業は大打撃を受けるばかりか、輸入の増大は国内生産を崩壊し、関連産業は廃業し、地方の雇用が失われ、農山漁村を始めとする地域社会の崩壊をも招きかねません。これでは、国民の圧倒的多数が望む食料自給率向上は到底不可能と言えるでしょう。  先ほど財政の項で述べました世界第2の経済大国の背景には、世界で最も開かれた農林水産物純輸入国となり、食料自給率が著しく低下した現実があります。具体的には、国内1次産業の生産額は4兆5,000億円以上が吹き飛び、小麦や砂糖はほぼ消滅、牛肉なども壊滅的な打撃を受けることは御承知のとおりであります。一方、不参加なら10年後には国内総生産額の約2%に相当する10兆円余が失われると反論しています。  お隣韓国は高関税路線を転換し、米を除く農産物は、約20年をかけて関税をゼロに近づけようとしています。2004年から14年間に、日本円にして約9兆円を投入し、農業改革を推し進めております。  日本は過去、減反などで生産力をそいで、価格維持政策を続けてきました。自由化時代には、農業基盤を強め、将来を担う農家への支援を集中し、輸出を促す農政の転換が重要と考えますが、知事は私の提案についてどのような所感をお持ちか、お伺いをいたします。  次に、とるべき最重要政策として、農業の基盤であります土地基盤の整備についてであります。  明治17年、初めて国として土地台帳が整備された当時、国の農地は650万ヘクタールであります。また、本県は9万6,000ヘクタールありました。しかし、農地は、127年を経た今日、国は460万ヘクタール、本県は驚くなかれ、半分以下の3万8,500ヘクタールまで減っており、現状は当時の約40%まで減り、先人たちが汗と涙と努力の結晶で造成した農地の現状に警鐘を乱打し続けることは、政治を扱う立場の者としては最大の責務であり、また使命であります。このような現状を見るにつけ、新たな農業政策の中で基本となるべき農業基盤の整備こそは、国の責任において取り組まれるべき事業であると考えます。  圃場整備事業の負担割合は、国50%、県27.5%、市10%、受益者負担12.5%であります。国は、戦後間もない昭和24年、食料増産を目標に土地改良法を施行し、基盤整備を進めることにより、戦後の混乱期に大きな力を発揮しました。本県においても、昭和27年には最初の土地改良区が設立され、昭和42年からは県営圃場整備事業にも取り組まれ、現在、55の土地改良区、水田、畑に1,700億円の巨費を投じ、水田整備率71.4%となっております。一方、全国では、30アール区画以上の水田整備率は61%、投じた事業費は7兆8,000億円であります。今後、日本全土の水田を整備するためには、なお15兆円の財源が必要であります。  しかし、農業は、洪水防止、水源涵養、大気浄化、保健休養、安らぎの提供などの多面的機能を有し、金額に換算しても8兆2,000億円とも言われております。農業基盤整備こそは、国民世論の盛り上がりに最も理解の得やすい政策の一つと考えられます。また、県費27.5%、市費10%については、純粋な農業経営に投下するくらいの考えが必要と思います。  知事は、国に対しての提言につき、近隣県と連携をとりながら、農業基盤整備についてどのような取り組みを考えておられますか。  また、今後の政策の中で、JAの果たす役割も重要と考えます。JAグループ島根は、おおむね平成24年を目途に1県1JAを目指す旨、一昨年、大会決議がなされております。今までの金融、共済事業中心の経営から脱却し、農業関連事業を主体としたJA事業の姿に立ちかわりながら、行政と一体となった農産物の外国への輸出拡大にまで踏み込んだあり方が求められております。  今後の政策転換の中で、JAと連携をとりながら、農林水産物の輸出についてどう取り組まれますか、お伺いをいたします。  最後に、防衛についてお伺いをいたします。  昨年12月、政府は安全保障会議と閣議で、今後10年間の防衛力整備の指針となる新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画を決定いたしました。新大綱は、中国の軍事動向を始め、地域社会の懸念事項を指摘し、テロや北朝鮮ミサイルを含めた多様な事態に機動的対処をすることを明記し、沖縄県南西諸島侵攻に備えた対処能力の強化を打ち出しました。  外交、防衛は国の基本であります。世界の歴史を見ますと、軍備を持たない国は270年以上繁栄したためしがないと言われております。  本県は、東西230キロメートルの海岸線を有し、竹島問題、隠岐島を抱えており、日本海を隔てて北朝鮮と接する位置関係にあり、原子力発電所も抱えております。一たび有事となれば、国内で最も危機に直面する地域であります。  国の防衛に対する所見を知事にお伺いをいたします。  次に、出雲駐屯地の隊員増強についてであります。  出雲駐屯地は、昭和28年10月、第8普通科連隊第1大隊800名をもって発足し、昭和32年10月には第303地区施設隊が移駐し、一時期は1,000人の隊員の駐屯地となった歴史があります。以後、幾多の変遷を経て、370名の隊員となっております。  先ほど申し述べましたように、北朝鮮から一番近い場所に位置する本県への隊員増強は、日本海域の防衛上、最も重要と考えます。知事として、出雲駐屯地への隊員増強につき、これまでの経過と今後の対応につきお伺いをいたします。  また、中国地方の陸上自衛隊の駐屯状況は、海田市1,700名を始め、出雲、米子、山口、防府北、日本原、三軒屋の7分駐屯地があります。出雲駐屯地には5.7ヘクタールの射撃演習場はあるものの、本格的演習場はなく、他県の演習場を借りて行っているのが現状であります。  隊員増強とあわせ、演習場確保の対応を防衛省に働きかける考えはありませんか、知事にお伺いをいたします。  2001年の米国の同時多発テロや日本近海における武装不審船の出現、北朝鮮による弾道ミサイル発射など、近年、これまでになかったような国民に不安を与える事件や事故が発生しております。こうした新しい危機発生を背景に、国民保護法が制定されました。同法の対象となる陸上侵攻、ゲリラ特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃等に対し、国民保護のための措置としての警報の伝達、避難指示や避難住民の誘導支援等、さまざまな役割が期待されております。そのためには、いつ起こるか知れない有事に対し、日ごろの訓練が重要と考えます。殊に、離島、原子力発電所のある本県においてはなおさらであります。  平成19年には国・県共同での訓練が行われておりますが、今後、国との共同訓練に取り組まれる考えはありませんか、お伺いをいたします。  さて最後に、本日までの過ぎし日々の歩みを思い浮かべるとき、平成3年、ふるさとの発展を願い、初当選以来4期16年、数々の思い出がよみがえってまいります。明治12年5月2日、初代議長木村常蔵翁以来、第71代田原議長までの132年、ひたすら県政発展と福祉の向上にたゆまぬ歩みを続けてこられました先輩諸兄、殊に11期44年の浅野、細田両議員を始め多くの先輩の皆さん方の政治哲学と郷土愛に満ちた不屈の精神は、私たち後輩に多くの感動と勇気を授けていただきました。また、これから取り組まれます神々の国しまね推進事業こそは、島根が農耕民族発祥の地としての誇りと自信、そして歴史に培われた共生の心とともに、日本民族の心として、とこしえに県民の誇りとなって残るでありましょう。  山々の織りなすクロマツと、千鳥城を囲む堀川の水面に映える白亜の殿堂に別れを告げる今、知事始め議員の皆様がおそろいで勝利を得られ、さらなる県政躍進の先駆者として御活躍になりますよう心より祈念し、質問を終わります。(拍手) 21: ◯議長田原正居) 溝口知事。  〔溝口知事登壇〕 22: ◯知事溝口善兵衛) 多久和議員の御質問にお答えを申し上げます。  議員は冒頭、島根の持つ豊かな自然、そして長い歴史文化、そしてその中で営まれます豊かな社会、人々の生活などにもお触れになりながら、今、県が進めようとしております神々の国しまね推進事業についての思いについて質問がございました。  御指摘のように、島根にはそうした古くから我々が受け継いできた、いわば歴史文化、資源、社会というものがあるわけでございます。他方で、そうしたすばらしさが、いろんな理由がありましたけども、県外の方々にも十分お知りいただけなかったことがあるわけでございますし、また県民の皆様におかれましても、あるいは子どもさんたちも十分に認識をされていなかったというような面がございます。  そういう意味で、神々の国しまね推進事業におきましては、県、市町村、民間団体等が一体となりまして、島根のすばらしさをしっかりとPRをしていき、観光誘客を図ると同時に、県民の皆様にも島根県の歴史文化、地域社会のよさを改めて知ってもらい、地域の誇りと自信を高めるように、そうしたふうに進むように念願をしてるところでございますし、特に子どもたちもこういうものに関心を持ってもらう、あるいは行動を一緒にしていただくと、イベント等でもございますが、一過性でなく、26年度以降も継続した取り組みとして、あるいは県民の皆さんの意識として定着するように努めてまいりたいと考えてるところでございます。  それから、私の政策提言、自立と分散で豊かな日本というものについての御質問がございました。  御指摘のように、古くから島根県は農耕におきましても歴史文化におきましても先進県であったわけでございますけども、近代に開国がなされ、欧米の高い文化が入ってくる、あるいは戦後の経済成長が進む中、そういう中で若干の発展のおくれがあったわけでございます。そういう中で、発展する大都市のほうに若者たちが職を求めて出ていく、それによりまして少子高齢化、そして人口の減少ということにつながってまいったわけでございますけども、他方で、最近の動きを見ますと、日本全体でも社会の成熟化等に伴いまして、自然が大事であるとか、あるいは我々の持つ伝統文化というものを再認識しなければならないとか、あるいは大都市の無縁社会といったような、人のつながりがどんどん希薄になっていく、そういう中で、人々が助け合いながら暮らす地域社会というものの重要性ということが認識をされるようになってきておるわけでございます。  そういう意味で、これまでは物、人が地方から大都市に向かっておりましたけども、大都市から企業の進出がある、あるいは農業あるいは漁業等々の分野で若い人たちもそういう場で働いてみたい、あるいは自然に近いところで生活をしたいというふうに思う人もふえてまいりまして、歴史的に見ますと、地方のそうしたよさが見直される時代に少しずつなってきてる。そうした流れを活用しながら島根を発展させていくと、それによって豊かな島根、住みやすい島根を築いていくように努力をしたいということが私の島根にかける思いでございます。  次に、国において検討が始まっております社会保障と税の一体改革についての所感を問うという質問でございます。  御指摘がありましたけども、ほうっておきますと国全体の公的な債務残高は1,000兆円にも達し、GDPの2倍にも達するといったような、ほかの国と比較しても非常に異常な状況になろうとしておるわけでございます。他方で、日本全体が高齢化が進む、介護が必要である、あるいは福祉、あるいは年金、そういったものの必要性がますます高まるわけでありますけども、そういうものがちゃんと機能するような財政基盤が失われてるということでございます。もちろん借金していけば金は回りますけども、そのようなことになりますといろんな弊害が起こってくるわけでございます。  そういう意味におきまして、社会保障と税と申しますか、財政基盤をどうやって確立をするかというのは大変重要な課題であるわけであります。我々全員、国民全体の問題であるわけでございます。そういうことがきちっとしませんと、将来に対する国民の不安あるいは不満、あるいは国民生活の安定、企業活動の安定ということは期待し得ないわけでございまして、こういう問題に政府挙げて、そして国民挙げて解決の道を探るべき時期に来ておると、あるいは近づいておると。やり方は急にはできませんけども、時間をかけて、いずれにしてもやらざるを得ないと思いますけども、そういうことを我々の問題として考えなければならない時代に、局面になってるというふうに私は認識をしております。  それから、それに関連しまして、諸外国では付加価値税の税率が非常に高くなっておるけども、日本は幾つかの国と同様で非常に低い率の国に属してるけども、ほかの国の考え方はどうかという質問でございました。  やはり議員も御紹介になりましたけれども、税率が高いのは欧州ですね。もともと欧州のほうで付加価値税というのがどんどん進んでいったわけであります。幾つかの理由があると思います。一番高いのが、議員も触れられましたけれども、北欧でありますけども、高福祉高負担の国ですね。そういうところでは、高福祉を政策として、公的な仕組みの中で福祉を考えていくということで、その財源をそういう形で調達をしていった歴史があると思いますし、それから、じゃあそれが付加価値税でなくても構わないわけでありますけども、売上税という伝統が欧州の地にはほかの国よりもあったということではないかと思いますし、それから直接税ということになりますと、所得の把握が非常に難しいといった問題もあったと思います。そして、直接税が高率になりますと、経済活動に対するインセンティブへの悪影響を懸念をするという考えもあったと思います。そういうことがいろいろ重なりまして、そういう状況になったんではないかというふうに思うところでございます。  先進国の中ではアメリカと日本が低いわけでございますけども、こちらはこれから高齢化なども進みますし、やはり中福祉中負担的な方向に進む可能性があるんではないかというふうに見るところであります。いずれにしましても、国民がどういう社会あるいは福祉の制度を望むかといったようなこととも大きく関連をしておるというふうに思うわけでございまして、そういう意味で、政府におかれても社会保障と税というような形で検討を進められようとしてるというふうに理解をしております。  それから、消費税を含めた財源確保に地方からも積極的に取り組むべきではないかという御質問でございますが、そのとおりでございます。やはり国、地方というのが車の両輪のようなものでございます。国のほうは、国自身がやらなきゃいけない分野の、行政もやりますけども、国全体としての制度をつくったりするのは、社会保障にしても医療にしても国でございます。そういう意味におきまして、あるいは貿易政策もそうでございます。しかし、いろんな行政を執行するのは地方でございますから、国、地方ともども財政が健全化をしていくようにするというのが必要な課題であるわけでございまして、税制改革論議の中におきましても地方の役割をしっかり見据えまして対応していかなければならないというふうに考えておるところであります。  それから、議員は、必要な税は負担しつつ、みんなで国づくりをやろうとする国民性の醸成が重要だと考えると。そのためには何が必要かということをおっしゃられました。  よくわかりませんが、まずやっぱりこれは大問題でございます。国民の生活に係る問題でございます。日本の将来に係る問題でございますから、やはり国民的なコンセンサスをいかにして形成をするかということでございます。そのためには、政府がいかなる政策をとるのか、そういう論議をしっかりして、ある程度方向感覚というものが国民の間で浸透していきませんと、なかなかこの作業を進めていくというのは難しいと思います。それが1つです。  それから、いろんなことを実施するのは、政府あるいは国政の場で大きな枠組みが決まってまいります。で、人々によっていろいろ利害が違うところがあります。細かいところまでみんなが賛成するというようなことは難しいわけでございます。それから、細かいとこまでみんなが同じような理解をするというのは難しいわけでございます。やはり政府がやることが信頼をされるということが一番大事なことでございますね。公平な政策を政府がとってきてる、政府が実効ある政策をとってきている、ある程度政府の判断に任せようというような考えが国民の中に出てくるということが非常に大事だろうと思います。そういう意味で、政治の安定ということも最も大事な課題の一つであります。  それから、やはり税金が上がるというようなことになりますと国民の生活等にも関連してくるわけでございますから、経済の安定ということも大事でございます。そのような非常に難しい中でどう進めるかということでございまして、国民がみずからの問題として考えていかなければならないというふうに考えております。  それから、自由化に伴う農政の転換あるいはTPPについてどう考えるかということでございますが、先ほど浅野議員の御質問の中でお答え申し上げましたが、やはり農業として政府はどういうような対応をするのか、それをしっかり示す必要があるということが最も大事なところでございまして、やはり2つあるわけでございますけども、1つは担い手の育成や農地の集積、輸出を含めた流通の多様化による付加価値の向上など農業の体質強化を図る、産業として発展させていく政策、これが1つでございます。もう一つは、再生産可能な所得を確保できるような所得補償、あるいは条件不利地の格差を是正するような直接払いなど農業・農村を維持するための政策、この2つをしっかりと対応していく必要があるということでございます。そういう中で、島根の特性をかんがみまして、条件不利地等におきます対応などもしっかり政府に要請をしていかなければならないというふうに考えておるところであります。  次に、それに関連しまして、農業基盤の整備についての御質問でございます。  農業基盤の整備は、生産コストの低減や品質の高い農産物の生産を行う上で極めて重要であります。国におきましても、基盤整備を推進するため、中山間地域の補助率の引き上げ、あるいは農地の集積に応じて地元負担を軽減する仕組みを導入するなど、事業の制度の充実を図っております。県としましても、こうした事業を活用しまして整備の推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。今後もさまざまな機会をとらえまして国に要請をしてまいりたいと考えておるところであります。
     次に、国の防衛に対する所見を問うという質問でございます。  防衛は、国際社会における国家としての存立にかかわる最も基本的な役割の一つでございます。現在の国際的な状況を見ますと、東西の冷戦が終了し、多くの人々が緊張の緩和あるいは紛争の減少を期待したわけでございますが、現状では、予想しなかったような動きが多々出ておるというふうに認識をしてるとこでございます。中東におきます紛争、あるいは大規模なテロ、あるいは東アジアにおきましては北朝鮮のあのような行動、あるいは中国の経済的な発展、そして軍事力の強化等々がもたらす影響、いろんな問題が日本を取り巻く国際社会で起こっておるわけでございます。  そういう意味で、安全保障の問題は国民の間でも重要な問題だという認識が高まってると私は考えてるとこでございます。日本の安全保障のためには、日本だけの防衛努力、防衛力だけでなく、日米の安全保障など同盟国との協力関係、あるいはアジア、近隣諸国との協調、あるいは国際世論への働きかけ、あるいは世界的な平和のための軍縮でありますとか、いろんな面で国が一体となって取り組んでいかなければならない課題だというふうに考えております。  次に、出雲駐屯地の自衛隊増強についての御質問でございます。  議員御指摘のとおり、島根県は北朝鮮に最も近く、海岸線が長いわけでございます。有事の際の対応が懸念をされる地域でもあります。さらに、災害を受けやすい地形でございます。風水害等に対する防災力の強化の観点からも、県内における自衛隊の充実につきましては私どももずっと要請を行っているところでございます。これまでの経過を見ますと、駐在する自衛隊の数は減っておるわけでございまして、その増強は簡単なことではございませんけども、今後とも国に対して要望をしてまいりたいと考えてるところであります。  次に、演習場確保の対応についてどう考えるかという御質問でございます。  演習場の確保につきましては、防衛政策上の観点から、国において検討されるべきものでございます。そういう意味におきまして、国から島根県に対して地元調整等の協力要請があった場合には、地元市町村とよく相談した上で県としての対応を考えるべき問題ではないかというふうに認識をしてるところでございます。  以上で私の答弁は終了いたしますが、この機会に、多久和議員に対しまして一言申し述べさせていただきたいと思います。  多久和議員におかれましては、4期16年の長きにわたりまして、県勢発展のために多大な御尽力をいただいてるところでございまして、心から敬意を表するところでございます。多久和議員におかれましては、議員をおやめになられましてからも、引き続き県勢の発展のため、あるいは地元の発展のために御尽力を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。よろしくお願いを申し上げます。 23: ◯議長田原正居) 赤松総務部長。  〔赤松総務部長登壇〕 24: ◯総務部長赤松俊彦) 私のほうからは、国との共同訓練の実施についてお答えを申し上げます。  島根県におきましては、平成17年度に島根県国民保護計画を策定をいたしまして、平成18年度からこの計画に基づきまして訓練を毎年実施をしておるところでございます。御指摘のように、平成19年度でございますが、島根原子力発電所がテログループによる攻撃を受けたというふうな想定に基づきまして、国、松江市と共同で訓練を行ったところでございます。  2回目となる国との共同訓練の実施についてでございますが、実施時期でありますとか実施場所、あるいは訓練内容などにつきまして、関係機関と調整を図りながら検討していきたいというふうに考えておるところでございます。以上でございます。 25: ◯議長田原正居) 石垣農林水産部長。  〔石垣農林水産部長登壇〕 26: ◯農林水産部長石垣英司) 私からは、農林水産物の輸出についてお答えいたします。  島根県からの農林水産物輸出につきましては、例えば従来西ヨーロッパ中心でありましたボタンが台湾、ロシア向けにも輸出されるようになるなどの動きが見られる一方で、海外では産地間競争が激化するなどによりまして、輸出の合計額はほぼ横ばいあるいは増加していないといったような状況であります。  こうした現状も踏まえまして、今年度、県庁内の関係部局やジェトロなどの関係機関を含め、今後の貿易振興のあり方についての検討会を設置したところでございます。この検討会におきましては、JAを含め、県内の生産者等の関係する事業者に対しましてアンケートやヒアリングを行い、これをもとにしながら、これまでの取り組みの検証と今後の施策の方向性の取りまとめを行ったところであります。この結果を踏まえまして、来年度から輸出に取り組もうとする生産者等事業者に対します支援事業を創設することとしているところであります。また、重点品目を定めて、輸出の可能性のある国や地域に対して重点的にマーケティングを行って、そこから具体的な取引に結びつけていくという戦略的な輸出拡大の取り組みも展開することといたしております。こういった新たな事業を活用して、また世界の動向にも留意をしながら、生産者や生産者団体であるJAあるいはそのほかの関係事業者等とも連携して、輸出拡大に取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。 27: ◯議長田原正居) 今井教育長。  〔今井教育長登壇〕 28: ◯教育長(今井康雄) 私から、ふるさと教育についての御質問にお答えをいたします。  豊かな自然や、世界にも誇れる多くの歴史文化、あるいは温かい人間関係に支えられました地域社会、こうしたものは、島根の子どもたちにとりましても、人間性などをはぐくむ上でとてもすばらしい教材だというふうに思っております。こうしたことから、こうした島根のよさを子どもたちに伝えるために、平成17年度以降、県内すべての公立小中学校で、地域の人々の支援を受けながら、ふるさと教育に特に力を入れて取り組んでいるところであります。この学習を通しまして、ふるさとを理解し、ふるさとへの愛着と誇りを持つ人間に育ってくれることを期待をいたしております。同時に、現代では失われつつあります美しいものに感動する心や、弱い者、弱い立場の者を優しく思いやり、効率だけではない人間らしさをたっとぶ心を養ってもほしいと願っております。  世界はグローバル化とか情報化とか、そういった波の中にありますが、そうした中にありましても、島根の子どもたちが将来、地方の実情に思いをいたし、さまざまな立場から地域や島根に貢献したいと思う、そういう人間に育ってくれるものと思っております。以上でございます。 29: ◯議長田原正居) 以上で本日の議事日程は終了いたしました。  次の本会議は2月23日に開きます。  本日はこれをもって散会いたします。        午後0時19分散会 発言が指定されていません。 島根県議会 ↑ 本文の先頭へ...